モッコウばらのアーチをくぐって

日常のささやかな出来事を綴ります。

「一茶」

少し違うものが読みたくて選んだ1冊です。


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小林一茶という人については

「やせがえる 負けるな 一茶ここにあり」や

「雀の子 そこのけそこのけ お馬が通る」とかぐらいしか知らなくて、

素朴なわかりやすい表現を使う、おおらかな健康そうな人というイメージでした。。




幼い頃に母をなくし、義母にいじめられた不幸な生い立ちや

その日の食べ物さえどうやって。。と思うような貧しい旅暮らし

義母や腹違いの弟との財産争いでみせる醜い執念など

私のイメージとは、かけ離れた人物像でした。

生涯にわたって2万という句を残した一茶の表現の機微の中から

おかれた境遇の中で、一茶は何を考えたのか。。。

それを表した藤沢さんはすごいなぁと思いました。



藤沢周平さんの「蝉しぐれ」「たそがれ清兵衛」「武士の一分」は

映画で見ましたが

私は「蝉しぐれ」が好きです。


一茶の人生があまりにも貧しい旅から旅への人生だったので

読後はずーんと年をとったような一冊でした。。